みなさんこんにちは!4F生地売場のTです♪
いつも好評いただいている「ミシンで縫う」シリーズ。
今回は転写チュールに挑戦しようと思います!!

チュール生地とは

チュール生地は、多角形の編み目でできたメッシュ生地といわれています。
多角形の中でも、「亀甲目(きっこうめ)」と呼ばれる亀の甲羅のような形、六角形の編み目で作られているものが多いです。

竹持ち手と木製持ち手の転写チュールのバッグ
竹持ち手と木製持ち手の転写チュールのバッグ

本来のチュール生地は、シルクで作られた生地のことをいいました。

しかし、現在の主流となっているチュール生地はというと、価格面や耐久性などの理由によりポリエステルやナイロンなどの合成繊維を中心とするものに変化しています。

チュール生地の日本の呼び方とは?

私たちがよく口にする「チュール」生地という呼び方。
日本語(和名)では「亀甲紗(きっこうしゃ)」と読み書きします。
これは網地の形からそう呼ばれるようになったそうです。

チュール生地の歴史

チュール生地が本格的に生産されるようになったのは19世紀といわれています。
それ以前は手作業で糸を絡めながら作られていました。
チュール生地はかなりの製作時間が必要となり、それゆえ限られた人にしか手に入らない生地でした。

実は製法の違いにより、2種類のチュール生地があるということをご存知でしょうか?
その2種類とは、「ボビンネットチュール」と「ラッシェルチュール」です。

チュール生地の誕生

ボビネットチュール

1808年、イギリスの発明家「John Heathcoat(ジョン・ヘスコート)」が織機・ボビネット機を開発しました。
この織機によって織られた生地を「ボビネットチュール」と呼びます。
それによりイギリスのノッティングガムでは、ボビネット機によるチュール生地の生産が盛んとなったそうです。
生地自体に張りがあり、しっかりとしているので型崩れしにくいです。

ラッシェルチュール

1855年に誕生したラッセル編み機は、サーキュラーニットとワープニットの原理を組み合わせた編み機になります。
その4年後の1859年、Wilhelm Barfuss(ヴィルヘルム・バルファス)によってさらに改良が重ねられ、経糸を絡ませて網地を編みあげる今のラッセル編み機が誕生しました。
編み物であるため、柔らかく柔軟性があるが型崩れしやすいのが特徴で、女性服やカーテン地に使われています。

【ちょこっと知りたい豆知識】チュール生地と似ている生地について

チュール生地と似ている生地として、オーガンジーやシフォン生地が挙げられるのではないでしょうか。
透け感があり、軽い素材であるという点で大きく共通しているこれらの3種類の生地ですが、一度ここで違いを確認しておきましょう!

オーガンジー

EBI3000-09 シルクオーガンジー生地

オーガンジーは、さまざまな素材を使った平織り物に加工を施して薄さを出しています。
基本的には50番手以上の細い糸を使っており、「硫酸仕上げ」という加工を施します。
この硫酸仕上げによって独特の透け感が生まれ、薄地ながらハリとコシのある生地に仕上がります。

オーガンジーは元々綿素材を使用したものが主流でしたが、現在はポリエステル・シルクなどさまざまな素材を使用しています。
また素材によって加工が加えられることがあり、若干構造が異なることもあります。

このような加工を施したオーガンジーの特徴はといいますと、薄手で程良いハリ感を備え、上品な透け感と独特の光沢感、滑らかな手触りであるという点です。

シフォン生地

DDD7572 コスモテキスタイル シフォン生地

シフォンは極細の生糸を使用し、たて糸とよこ糸を十字に交差させながら織った平織物です。
最も薄い織物であり、糸と糸の間に隙間ができるほどの為大まかな織り方をしているとも言えますが、この隙間があることで、透け感、透明感をしっかりと感じることが出来ます。 
また弾力があるため、ぐしゃぐしゃに持ってもしわになりにくいです。

本来のシフォンは光沢が控えめでマットな質感でしたが、最近ではレーヨンや、耐久性の高いナイロンなどの繊維のシフォン生地も増えています。

やわらかさの中に張り感もあり、ドレープが出やすいことが特徴のシフォン生地は、とても軽量でふんわりとした風合いを持ち合わせていることから、ドレスやベールといったウェディングアイテムに取り入れられることが多く見受けられます。

このように織り方の違いによる目の違いや、軽さ、手触りなどなど…。
改めて比較してみて分かるこれらの生地の違いを少しでも感じて頂けましたでしょうか?
実際に比べてみると同じ透け感のある生地とはいえ、全く違うということがお分かりいただけるかと思います!
ぜひ、作品作りや生地選びの参考にしてみてくださいね♪

紐釦(チューコー)でお取り扱い中のチュール生地の種類

日本紐釦(チューコー)本館4F売り場にてお取り扱いしているチュール生地は4種類ございます!!
それぞれのチュール生地の特徴をしっかりとお伝えします!!

転写チュール

F98244-1090 転写チュール ピンクと紫のドット
F98244-1090 転写チュール ピンクと紫のドット

少し硬さや張りのある生地になりますので、ポーチなどの作品を作っても形状を保つことが出来ます。

転写チュール
いろいろなデザイン柄の転写チュール

こちらの転写チュールは様々なデザインがあるのが特徴です!
花柄はもちろん、動物や幾何学模様などカラフルなデザインの転写チュールをお取り扱いしております!!

L1100 ナイロンチュール ハードチュール

L1100 ナイロンチュール ハードチュール
  • 品番:L1100
  • 品名:ナイロンチュール ハードチュール
  • サイズ:巾95cm
  • 素材:ナイロン100%
L1100 ナイロンチュール ハードチュール

パッチワークの土台としてはもちろん、夏用のカバンにも最適です。

カラーラインナップはこちら!

L1100 ナイロンチュール ハードチュール 全色

カラーは8色展開です。

  • P:ピンク
  • WH:白
  • BK:黒
  • GY:グレー
  • BG:ベージュ
  • DBR:ブラウン
  • NV:紺
  • SX:水色

AD5035 セミハードチュール 50デニール

AD5035 セミハードチュール 50デニール
  • 品番:AD5035
  • 品名:セミハードチュール 50デニール
  • サイズ:115cm巾×1m(半折)
  • 素材:ナイロン100%

カラーラインナップはこちら!

AD5035 セミハードチュール 50デニール 全色
  • KW:白
  • 2:ピンク
  • 6:黄
  • 15:赤
  • 20:黒

AD1820 ソフトチュール

AD1820 ソフトチュール
  • 品番:AD1820
  • 品名:ソフトチュール
  • サイズ:115cm×1m(半折)
  • 素材:ナイロン100%
AD1820 ソフトチュール 拡大
こんな感じの生地です♪

カラーラインナップはこちら!

AD1820 ソフトチュール 全色
  • 1:ホワイト
  • 2:ライトピンク
  • 4:ライトブルー
  • 5:イエロー
  • 6:パープル
  • 8:レッド
  • 9:オレンジ
  • 10:ブラック
  • 11:クリーム

実際に転写チュールをミシンで縫ってみよう!

日本紐釦(チューコー)で取り扱いしているチュール生地の中から、今回は「転写チュール」をミシンで縫ってみようと思います!

実は、売場でもお客様から「どうやって縫えばいいですか?」「この生地でどういったものを作るの?」というご質問をよく頂く生地なんです。
チュール生地の中では、柔軟性よりもハリのある素材のように思うお客様もいらっしゃるかもしれません。

転写チュールをミシンで縫ってみました

そもそもチュール生地は目が詰まっていない生地ですよね。
そのため、ミシンで普通に縫製していくとつったりギャザーが寄ったりして生地がどんどん縮んでしまいます。

また「ミシンの進みが悪くてなかなか縫えなかった!」という経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね。

では、「転写チュール」はどうでしょうか…?

先に結論からお伝えするのもなんですが…。
今からご紹介するアイテムや気を付けるポイントさえ押さえて頂ければ、

この転写チュール、ミシンで縫えます!!

今回は「REC439 転写チュールで作るポーチ」のレシピを参考に作り進めて参ります!
※レシピには使用していないファスナー、またバイアステープを使用しています。

①レシピの型紙通りに転写チュールを裁断する

②ポーチ本体にバイアステープを縫い付ける

転写チュールにバイアステープを縫い付けます。
転写チュールの切りっぱなしは、体に触れるととてもチクチクし、大変危ないのでバイアスなどで包むのがおすすめです!
そしてこの時に使用するバイアステープはシールタイプがおすすめです!!

転写チュールの生地にバイアステープをミシンで縫い付ける

シールタイプのバイアステープであれば一度転写チュールに貼り付けるだけで、ほとんどずれることなくミシンで縫い合わせることが出来ます。

転写チュールには仮止めクリップ!

生地を縫製するときに使用する待ち針。
特に転写チュールは生地の特性上、待ち針を使用することが難しいです。
そのためスタンドクリップ(仮止めクリップ)を使用して仮止めを行うようにしましょう!

ミシン糸や針はどれを使えばいいですか?

転写チュールを縫う時のミシン糸の番手は、普通地用のミシン糸#60番手で大丈夫です!!
またミシン針も一般地用#11を使用してくださいね。

③ファスナーを縫い付ける

転写チュールの生地にファスナーをミシンで縫い付ける

次にファスナー片側ずつ縫い付けます。
ズレないように気を付けながら縫い進めてくださいね♪

転写チュールにファスナーをミシンで縫い付ける

きれいにファスナーを縫い付けることが出来ました!!

ちなみに、普通の押さえで縫い進めるとファスナーの金具やムシの部分が当たって縫えないというお悩みの際は、細押えやファスナー専用の押えに替えるのがおすすめとのことです!

※必ずご使用のミシンでご使用いただけるかご確認頂いてから、ご使用くださいませ。

④バイアステープを縫い付ける

ファスナーを縫い付けることが出来れば、両脇部分にバイアステープを縫い付けて転写チュール生地の端の部分が隠れるように縫い付けます。

⑤マチ部分を縫い付ける

写真のように転写チュールの形を合わせて、マチの部分を縫い付けます。
また片方のマチ部分を縫い付ける際、持ち手も一緒に挟んで縫い合わせます。

転写チュールの生地にバイアステープをミシンで縫い付ける
当たるとチクチクするのでバイアステープで包みます!

最後に、転写チュールの生地の端をキレイに隠します。
先程縫い付けたマチの部分にもシールバイアスを貼り付け、その上をミシンで縫い付ければ完成です!

「転写チュール」のポーチが完成!!

オレンジのガーベラ柄の転写チュールのポーチ
ガーベラ柄のポーチの完成!!

透け感がキレイな転写チュールの生地で作るポーチが完成しました!!
暑い夏にピッタリの涼しげなチュール生地で作るかわいいポーチ。

おうちでお過ごしの際にぜひ、転写チュールの生地を使って作品を作ってみませんか?

▽今回使用した商品はこちらになります▽
ぜひご覧くださいませ!

簡単にミシンでチュール生地は縫うことが出来る!!

チュール生地でハンドメイド作品は簡単に作れる♪

転写チュールで作るバッグ
転写チュールで作るバッグ
転写チュールで作るポーチ
転写チュールで作るポーチ
転写チュールで作るバッグ

今回ご紹介しているポーチ以外にもバッグなどもお作りいただけます!!
また今まで以上に転写チュールのデザインラインナップも増えております。
お気に入りのデザインをぜひ見つけて下さいね♪

おすすめのレシピや書籍をご紹介

▽転写チュールの生地との相性ピッタリ◎おすすめの持ち手やファスナーなどはこちら▽

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4F国産生地売り場では、今回ご紹介した生地以外にもプリント生地やビニール、ナイロン生地、帆布生地などお取り扱いしております。
大阪へお越しの際はぜひお立ち寄りくださいませ!

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