みなさん、こんにちは!本館2F、服飾資材売場のOです。
突然ですが、みなさんにご質問です!「ファスナー」を縫い付けることは出来ますか?
最近では、お洋服でファスナーを飾りとして、「見せる」使い方をしていることがございます。
「こんな風に作品を作ってみたいな」と思って、材料も揃えてやってみたけど「難しい!分からない!!」「初めてするから自身がないな…」と、作るのを諦めてしまったという経験はありませんか?
今回のコラムでは、耳にすると難易度が高く敬遠したくなる「ファスナー」の縫い付け方についてご紹介したいと思います!!
すでにご存知の方もおられるかもしれませんが、実際にやってみるとなると上手くいかなくて、「やっぱり、もうやりたくない!」と思っている方もご安心ください!
このコラムを読めば、きっと「私も出来そう!!」と思っていただけるはずです♪
目次
ファスナーってソーイング初心者でも縫い付けられますか?
ファスナーについて
ファスナーの各部位の名称と構造について
ファスナー(チャック)は大きく「テープ」「エレメント(務歯)」「スライダー(開閉部品)」で構成されています。
- テープ:ファスナーを洋服やポーチなどの本体に縫いつける部分です。
- エレメント(務歯):かみ合わせる歯の部分のことです。ギザギザのエレメントがかみ合うことでファスナーを開け閉めすることが出来ています。
- スライダー(開閉部品):ファスナーを開け閉めするときに動かす部分です。エレメントをかみ合わせる上で大切な役割を担っています。
ファスナーの寸法や号数の測り方
ファスナーのサイズはファスナーを閉じた状態で、上止め~下止めの位置までを測ります。
また、ファスナーの号数はエレメントの大きさによって変わり、数字が大きくなるほどエレメントの幅が広くなります。
スライダーの裏側に号数が表示されていることが多い為、ぜひ一度ご確認してみてくださいね!!
ファスナーの種類
メタルファスナー
エレメント部分が金属となっているファスナーをまとめて呼んでいます。
エレメントに使用されている金属の種類は、アルミや丹銅(胴と亜鉛が20%以下の合金)、洋白(胴、亜鉛、ニッケルの合金)などの素材が使用されています。
ビスロンファスナー
エレメント部分がプラスチック製となっており、メタルファスナーよりも軽いところが特徴です。
素材の関係上、エレメント部分の柔軟性が低く、曲がりにくい為、きついカーブや薄手の生地に使用することは控えたほうが良さそうです。
両開き(シンメトリー)ファスナー
スライダーが2個付いているファスナーです。
スライダーが2個付いているので、左右に開けることが出来ます。
大きいバッグやポーチなどの作品作りにピッタリのファスナーです。
コイルファスナー
エレメント部分がコイル状になっているファスナーです。
メタルファスナーやビスロンファスナーと比較すると、柔軟性が優れており、カーブがある部分も縫いやすいという点が特徴です。
コンシールファスナー
ファスナーの種類としては、コイルファスナーと同じ部類となりますが、下止めの位置を動かして調節することが出来るところがポイントです!
ファスナーのエレメント部分が裏面に取り付けられている為、ファスナーを見せたくない、スカートやワンピースなどに多く使用されます。
ミシンで縫製するときは、コンシールファスナー専用の押さえ金が必要になります。
フラットニットファスナー
ファスナーの種類としては、コイルファスナーと同じ部類となり、ニットテープにエレメントが編み込まれたファスナーです。
薄くて柔らかい為、薄手の生地やストレッチ性のある生地に合わせるのもおすすめです!
ポーチやワンピース、スカートのあきなど幅広くご使用いただけるファスナーです。
まずは必要アイテムを揃えよう!
それでは、ファスナーを縫い合わせる時の必要なアイテムを揃えます!
ミシンでファスナーを付ける時は【ファスナー専用押え】が必要!!
ファスナーをミシンで付ける時、ミシンに元から付いている標準押えでは、エレメント部分に引っかかってしまうため、縫い進めることが出来ません。
エレメント部分をしっかりと避けて、縫い進めることが出来る「ファスナーの押え」に付け替えましょう!
そして、「ファスナーの押え」はミシン針の左右に付け替えて使用します!!
ファスナーを縫う時は「片押さえ(ファスナー押さえ)」を使おう!
ファスナーを縫う時にミシンを使用する場合は通常の押さえ金ではなく、専用の押さえ金に付け替える必要があります。
標準の押さえ金は縫い始めの時点で、ファスナーの下止め部分に当たってしまい、まっすぐと縫うことが出来ません。
しかし、片押さえ(ファスナー押さえ)は横幅が通常の押さえより狭いものとなっているため、ファスナーのエレメント部分に押さえ金があたることがないのです。
コンシールファスナーを縫う時は「コンシール®押さえ」を使おう!!
コンシール®ファスナーをミシンで縫う時は、コンシール®専用の押さえ金を使用します。
この押さえ金には溝があり、コンシールファスナーのエレメントがピッタリとはまる作りになっているのです!
ファスナー押え(家庭用ミシン)
家庭用ミシンを購入すると、付属でついてくる押えになります。
みぞが左右にあるため、ファスナーを縫う側に合わせて付け替えて縫い進めます。
縫いたい位置 | 押えの位置 |
---|---|
ファスナーの右側 | 押えのみぞの左側 |
ファスナーの左側 | 押えのみぞの右側 |
片押え
押えの足が1本となっています。
押えの位置はネジを使用して調節を行います。
縫いたい位置 | 押えの位置 |
---|---|
ファスナーの右側 | 針の右側 |
ファスナーの左側 | 針の左側 |
細押え
幅が0.5cmほどと細い押えとなっています。
ファスナー専用の押さえではありませんが、細幅のためエレメントに当たることがなく、安定して縫い進めることが出来ます。
コンシールファスナー押え
コンシールファスナー専用の押えです。
押えにあるみぞ部分に、ファスナーのエレメント部分をピッタリとはめて使用します。
縫いたい位置 | 押えのみぞの位置 |
---|---|
ファスナーの右側 | 押えの左のみぞにエレメントをはめる |
ファスナーの左側 | 押えの右のみぞにエレメントをはめる |
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Chuko Onlineこれがあると「ファスナーの縫い付け」がもっと便利に!
ファスナーの縫い付けをより便利にするためのアイテムもご紹介いたします!
仮止めクリップ
感動!仮止めクリップ
- Point 1:クリップを外さなくても縫える!固定したまま縫えるのでズレない!
- Point 2:印付きなので縫い代に合わせて一定に仮止め出来ます!
ミシン針が近づいてくる度に止めて、クリップを外し、またミシンをかけてといった手間をかけることなく、すいすいとミシンを進めることが出来ます!!
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Chuko Online布用両面接着テープ
3mm幅の布用両面テープは、縫い目と重なりにくい為オススメのサイズです!
使い方
- ファスナーのテープ部分の両端に、両面接着テープを貼ります。
ミシン針が通るところに、両面テープが接着していると、針がベタベタして縫いにくくなるため気を付けましょう。 - ファスナーと本体(生地)の印の位置をしっかりと合わせて、貼り合わせます。
- ミシンで縫い合わせれば完成です!
不要な布にミシン油かシリコン剤のどちらかを染み込ませて、針を拭き取るようにして下さいね。
ミシンでファスナーを生地に縫い付けてみよう!!基本の付け方はコレ
ファスナーを実際に縫い付けた時の仕上がりとして、ファスナーの見える幅は1~1.5cmほどになるようになるのがベストです!
ファスナーのエレメント部分のギリギリを縫うと、スライダーが引っ掛かり開閉がしにくかったり、見た目もあまりきれいに見えなかったりします。
そして使用するミシンの押さえ金は標準タイプのものではなく、「ファスナー押さえ」に付け替えてミシンで縫製をして下さいね。
ファスナーの中心と本体の中心に印を付ける
ファスナーと生地本体の中心、上止め、下止めの位置に印を入れます。
この時用意するファスナーのサイズは、縫製したい生地より3~3.5cmほど短いものにしておきましょう。
※作品によってファスナーのサイズが変わることがありますので、必ずレシピなどを参考にしてお選びください。
そして、印が入ったファスナーと本体の中心を合わせます。
この時、ファスナーがミシンで縫っている間に動くことがないよう、しっかりと合わせておいてくださいね。
おすすめの止め方を3種類ご紹介いたします!!
- 待ち針や仮止めクリップ
- しつけ糸
- 布用両面接着テープ
ご自身のあった止め方で、ぜひ一度挑戦してみてくださいね♪
仮止めミシンをかける
ミシン針が押さえの左側に位置するように、ファスナー押さえを取り付けます。
ファスナーの数ライダーが押さえと接することがないように、移動させながらミシンで縫い合わせます。
しっかりと端から端までファスナーと本体を縫い合わせることが出来れば、仮止めミシンの完成です!
ミシンで本縫いをする
生地同士をしっかりと縫い合わせる本縫いを行います。
本縫いを行う時もファスナーと近いところを縫うことがあるため、標準タイプの押さえではなく「片押さえ(ファスナー押さえ)」を使用しましょう!!
そうすることで縫いたい場所がズレることなく、しっかりと縫うことが出来ますよ。
布にファスナーを縫い付ける時は、スライダーを移動させながら縫い付けましょう!
押さえ金がスライダーに当たらない場合であっても、若干のずれが生じることがあるそうです。
押さえ金がスライダーの手前まで進んだら、一度ミシンで縫い合わせることを中断し、スライダーを移動させてから再びミシンで縫い合わせるようにしましょう!
【ちょっと応用編①】カーブ部分のファスナーの縫い付ける時
生地にファスナーを合わせて、待ち針で止める
表本体とファスナーの端を合わせ、待ち針で止めます。
この時に、ファスナーのテープのカーブ部分に0.5cmほどの切り込みを入れ、生地本体に沿うように配置させます。
ミシンをかける
仮止めミシンをかけ、生地同士を縫い合わせる本縫いを行います。
これで完成です!
【ちょっと応用編②】ファスナーの端を折って付ける縫い付ける時
この方法で縫製を行うとファスナーのテープが縫い込まれないため、見た目がスッキリとした仕上がりとなります!
フラットタイプのポーチづくりの時におすすめのファスナーの付け方です。
ファスナーのテープ部分をボンドで接着する
ファスナーのテープの上止め部分から裏側へ折り畳み、ボンドで接着します。
今度は、三角に折り上げてボンドで接着させます。
同じ作業をファスナーのテープ部分の四カ所に行い、ボンドがしっかりと乾くまで待ちます。
待っている間に、ファスナーの中心部分に印を入れておきます。
基本の縫い方と同様にミシンで縫い合わせる
基本の縫い方と同様にファスナーと生地本体の中心を重ね合わせます。
仮止めミシンを行い、本縫いを行えば完成です!
【お悩み解決コーナー】みなさんの疑問にお答えします!
日本では一般的にファスナーを閉めた時、スライダーが左側にくるように付けいています。
特に右手でファスナーを開ける時の開けやすさにこだわったためです。
日本では右利きの方が多いといわれており、このような作り方が一般的に広まっています。
反対に、左利きの方であれば、スライダーが右側にくるように付けると良いですよ!
端布の寸法はこの計算で求めることが出来ます!
●×2+2(縫い代)
「●」はファスナーのテープの端から留め具までの長さとなります。
ファスナーの縫い付けもこれで安心◎
ファスナーを縫い付けとなると、間違えずに縫い合わせられるのか不安になりますよね。
でも、ご安心下さい!
今回ご紹介した商品を使用すれば、どなたでもしっかりとミシンでファスナーを縫い付けることが出来ますよ♪
ファスナーがズレてしまいそうとお悩みの方も、仮止めクリップや両面テープを使用すれば、しっかりとファスナーを付けたい箇所に縫い付けることが出来ます!
ぜひお試しくださいませ!!
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