みなさん、こんにちは!
本館5F売場では染料や布用絵の具、スタンプインクなどをお取り扱いしております。
今回はその中でも染料についてご紹介したいと思います!
このコラム記事を読めば、染料についての知識が増えること間違いありません◎
染色とは
染色とは、水に溶ける性質を持つ色素が繊維に吸収され定着するという現象のことです。
実は染色の原理と化学は深く関係がある!
染料の分子と繊維の分子がくっつく性質である「親和性」を持ち合わせていることにより、繊維に色素が定着するのです。
親和性とは、分子が持っているプラスとマイナスの吸引力や分子同士の引力に基づく力のことです。
また、一度繊維の分子の中に入り込んだ染料の分子自体が、水に溶ける性質を失うと洗濯しても色落ちすることはありません。
このように、染色という原理はそれぞれの物質の分子同士が結合しあう性質を持ち、染料・色素の分子が水に溶ける性質を失うという現象が作用しあうことで成り立っているのです。
繊維に対して適する染料
染料の分子と繊維の分子が結びつき合うことで生地が染色されるという事は、みなさんもご理解いただけたはずですが、染料や繊維の種類によってその分子の構造というのは少し違っています。
このように繊維、染料のそれぞれの分子の科学的性質により染色性は影響を受けており、各繊維に適した染料というのが存在しています。
また繊維分子と染料分子の親和性が弱い場合には、媒染剤というそれぞれの分子を繋ぎ合わせるための手助けをしてくれる溶剤を使用することがあります。
染料(染色)の種類
染料とは水や油などに溶かして生地やプラスチックなどの素材を着色させる物質のことです。
染料は植物や一部の動物から採取される天然染料と化学合成される合成染料に大きく分類することが出来ます。
19世紀中頃までは天然染料を使用しておりましたが、その後、技術の発達などにより合成染料が増えてきました。
直接染料
染料をお湯または水に溶かして繊維を染色する方法です。
最近では、ご家庭でもお手軽に染色をすることが出来るようなキットなどの商品が販売されているのを見かけることがございますが、多くの商品がこの「直接染料」の方法で染めるものになります。
ご家庭でも簡単に染めることが出来るというお手軽さは人気の一つでもありますが、合成繊維のような化学繊維は染めにくいとされています。
また、洗濯後の色落ちや汗、日光との相性があまりよくないため取扱いに注意が必要な点もあります。
酸性染料
染色する際に「酸」を加えるため「酸性染料」と呼ばれています。
染料は水によく溶け、ウールやシルクなどの動物繊維からナイロン、アクリルなどの合成繊維の染色に使用されています。
反応染料
染料と繊維に対して、化学反応を用いる染色法を「反応染料」といいます。
繊維に染料をしっかりと吸収させた後、アルカリ剤を加えます。
この時に化学反応が染料と繊維で発生するため、色がしっかりと定着し、耐久性にも優れた染料といわれ、直接染料よりも鮮やかで濃度の高い染色を実現することが出来ます。
この染料はコットンやリネン、レーヨンなどの天然繊維や天然の植物を原料とする再生繊維などをしっかりと染めることが出来ます。
分散染料
不溶性の細かい微粒子状の染料を水に分散させ、繊維の間に染料を入れて染色することを「分散染料」といいます。
ポリエステルやアセテートなどの合成繊維を染める際に主に使用される染料です。
分散染料の使用時の注意としては、繊維の中に入り込めず表面に残った染料はしっかりと洗い流さなくては色移りの原因となったり、高温のアイロンの使用時には繊維が開いて染料が外へ流れ出てしまうことで色落ちや色移りの原因となったりことがあります。
建染染料(バット染料)
還元染料を使用して染める方法を「建染染料」といいます。由来は染料を還元して染めることを「建てる」と表現していたからです。
インディゴ染料もバット染料の一つです。
染色に向いているものと不向きなものを要チェック!
染色は化学の原理が関係していること、また繊維と染料の持つそれぞれの性質によって染色具合が変わるということもあります。
このようなことから染色に向いているものと不向きなものが存在しているとも言えますよね。
染色する前に、一度お手元の商品をよく確認してみてくださいね♪
①洗濯表示を確認する
既製品の繊維製品を染める場合、多くの商品に洗濯表示のタグが付いていることが多いかと思います。
みなさんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
染色する際、染料を溶かしたお湯などに浸けたり、綺麗なお水ですすいだりする場面が多いです。
そのため、水洗いが出来ない洗濯表示がある製品は染色に不向きということになります。
また手洗い表示の製品も水に浸けると縮みやすかったり、風合いが変わったりする場合がございますので注意が必要になります!
②使用したい染料が素材に対応しているのか確認する
染料によって染めることが出来る素材、染まりやすい素材というのは変わっています。
そのため、必ず染料と素材が対応しているのかを確認しておきましょう!
今からご紹介するものは染色にあまり適していない、不向きとされる製品です。
・撥水加工がされているもの
撥水加工がされている素材はそもそも水分を弾く特性を持っています。
そのため、染料の分子などが素材に入り込みにくく、そもそも定着しにくいという問題が発生します。
また撥水加工を施すにあたり、加工の薬品や溶剤などが染料と混ざり合い変色することもあります。
もちろん、ビニール素材やプラスチック素材のように一見染まりにくそうと思う商品であっても、素材や染め方によっては染色することが出来る場合もございます。
一度、染めたい素材に対して使用できる染料や染色方法はあるのかどうかなどご確認いただいてから作業に進むようにしていただくことをおすすめします。
・革素材が使用されているもの
革素材は水に弱く、また染めることで縮み、硬くなってしまいます。
部分的であっても革素材が使用されている製品などは染色するというのは避けておいた方がいいです!
・色移りの心配があるものや高価なもの
過度な摩擦や濡れた際に染色した色が落ちてしまうことがありますので、どちらも注意が必要になります。
また手作業による染色は思い通りの仕上がりになるとは限りませんので、大切にしているものや高価なものはなるべく避けておきましょう。
3種類の染料を比べてみました!
日本紐釦(チューコー)にてお取り扱いしている3種類の染料を比較してみました!
染める素材や発色具合、価格によってどの染料を選ぶと良いのかをご紹介したいと思います♪
ECOA コールダイオール
肌荒れや湿疹など(人体への影響)がなく、有害指定化学物質を含まない人と環境にやさしいECO染料です。
綿・レーヨン(キュプラ)・絹・毛・ナイロン・ポリウレタン・ビニロンが水(30℃以上)でも染まる染料です。
1瓶(20g入)で約250gの白生地(Tシャツ約2枚またはブラウス約2枚)は染められます。
カラーは全28色です!
染色するときに必要な道具
- 容器(ステンレス製・またはホーローのもの)※プラスティック製のものは染まりますのでご注意下さい。
- ボウル
- 泡立て器
- ゴム手袋
- 塩
コールダイオールのここがおすすめポイント-染色初心者の方-
染色初心者の方にオススメの「コールダイオール」は、30℃以上の低温でも染めることが出来るので、高温を避けて染色したい時にオススメです。
またお子さまとご一緒に安心して染色することが出来ますよ。
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Chuko Online※Chuko Online(オンラインストア)にてご購入の場合は事前登録が必要となっております。ご登録はこちらからお願いいたします(会員登録料無料)
※「商品の価格を知りたい」場合は会員登録(無料)が必要になります。
ECOH コールダイホット
肌荒れや湿疹など(人体への影響)がなく有害指定化学物質を含まない、人と環境にやさしいECO染料です。
綿・麻・レーヨンから絹、ウール・ナイロンやアセテートまで(85℃以上)で染まります。
1瓶で約250gの白生地(Tシャツ約2枚またはブラウス約2枚)は染められます。
カラーは全28色です!
染色する時に必要な道具
- 容器(ステンレス製・またはホーローのもの) ※プラスティック製のものは染まりますのでご注意下さい。
- ボウル
- 泡立て器
- ゴム手袋
- 塩
コールダイホットのここがおすすめポイント-発色の良さと染められる種類の豊富さ-
85℃以上のお湯で植物繊維(綿・麻・レーヨンなど)と動物繊維(絹・毛・ナイロンなど)が濃くよく染まります。
またナイロンボタンやポリボタンなどの樹脂成型品を染めることも出来ます。
発色の良さと染められる種類の豊富さをお求めの方は、「コールダイホット」がおすすめです!
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MAT ベストカラー
染色する時はベストカラー、塩、湯の量は布の重さ(乾いた状態)に合わせて加減して下さい。
布全体がゆったりとつかる程度の容量が必要です。お湯の量は調節できますが、容量が極端に少ない場合ムラになりやすくなりますのでご注意ください。
また、基準よりも染料の量を増やすと濃く染まり、減らすと薄く染まります。
染色中は布が絡まないように動かしたり広げたりして、染色液が布全体に行き渡るようにするとムラなくキレイに仕上がります。
カラーは全20色です!
染色する時に必要な道具
- ボウルなどの容器
- トング又は菜箸
- ゴム手袋・エプロン
- 計量スプーン・計量カップ
- 洗濯用洗剤(粉・液体どちらも可)
- 温度計(100円ショップで購入可)
ベストカラーのここがおすすめポイント-価格と染料の溶けやすさ-
色が濃く、鮮やかに染まり、ムラになって染まることがほとんどありません!
また、色の調合や計量が簡単に出来ます。
価格を抑えたい時や濃く鮮やかに染めたいときは「ベストカラー」がおすすめです!
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色止め剤って必要?
「色止め」とは生地などの繊維に染色によって定着した染料が溶け出さないようにするための方法です。
色止め剤は、染料の固着(色止め)を目的とする処理を行う時に使用する溶剤です。
染色の最終工程時に色止め剤を使用することが多いですが、商品によって使用方法は異なります。
必ず使用する商品に記載されている使用方法をよくご確認してくださいね。
酢や塩は色を濃くする時に使用する効果的な助剤になりますので、色止め剤の代用にはなりません。
また、ウールや絹などの動物繊維の助剤となりますので、綿などの植物繊維には適しているとは言い切れません。
塩…植物性素材(綿・麻など)への濃色効果がみられる。
酢…動物性素材(絹・毛など)への濃色効果がみられる。
また、綿と毛の混紡品は塩と酢の両方を混ぜ合わせたものを使用します。
色止め剤は出来るだけ同シリーズで合わせてご使用ください。
コールダイオール、コールダイホットと相性◎「色止め剤ミカノール」
色止め剤ミカノールは、綿・麻・レーヨンなどの「植物繊維用」の商品になります。
ECOで染色して水洗いの後でぬるま湯にミカノールを入れて色止めします。
サイズは50ccで、1本の使用目安はTシャツ約8枚分です。
「色止め剤ミカノール」の使い方について
1.染色した生地を用意する
この時染色した生地を中性洗剤ですすぎ洗いし、乾いた状態の染め上がりを確認後色止めの処理を行うことをおすすめしています!
2.ミカノールを入れたぬるま湯を用意する
繊維などの素材が十分に浸る分量のぬるま湯を用意します。
ミカノールの使用量の目安は2リットルのぬるま湯に対してキャップ4mlを入れます。
※使用する色止め剤の分量は、本体の容器のキャップをくるっと回して取り外して計量してください。
3.ぬるま湯に生地を浸す
ミカノールを入れたぬるま湯に約20分浸します。
4.水洗い後、陰干しする
取り出した後、水洗いし脱水します。
日陰のところでしっかりと干したら完成です!
ベストカラーで染めたら必須の定着剤「ベストフィックス」
染色後に処理するとお洗濯による色落ちを防ぐことができます。
ベストフィックスを溶かした溶液(60℃)に20分間浸けるだけで染色堅牢度がアップします!
1本の使用目安は、Tシャツ約6枚分です。
「ベストフィックス」の使い方について
1.「ベストフィックス」を水に溶かす
「ベストフィックス」を水2.5Lに溶かし、染色した生地などを入れてよくかき混ぜます。
2.温度を上げてさらにかき混ぜる
「ベストフィックス」」を溶かした水の温度を約60℃に上げ、約20分間かき混ぜます。
3.水洗い後、陰干しする
処理後、水洗いをして日陰のところでしっかりと干します。
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染色する時にあると便利な用品
染色する際に必要なアイテムとして、染料や色止め剤はもちろん他にも用意しておくと大変便利なアイテムがあります。
今回はその用品もご紹介したいと思います♪
- ボウル (染色液を作る時と染色液に生地などを浸す時に使用するため、大・中2つほどあると便利です。)
- ゴム手袋
- トング、菜箸
自宅で染色を楽しもう!
染めたい素材や商品によってお使いいただく染料も変わってきますので、お間違いないようにお気を付けください!
今回ご紹介した染料や色止め剤などの商品を使えば、ご自宅でも簡単に染色をお楽しみいただけますよ!
生地などの繊維製品はもちろん、お人形の髪の毛や造花などをお好みのカラーで染め上げ、オリジナリティ溢れる作品をお作りいただくのはいかがでしょうか。
染色のレシピやおすすめの書籍はこちらからご確認いただけます♪
初めて染色するという方は、レシピや書籍も参考にしていただければと思います!
染色の技法にも様々あるので、ぜひ挑戦してみてくださいね♪
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